クラウドPBXの費用は、大きく分けて初期費用、月額料金、通話料、オプション料金から構成されています。そして、それぞれの費用相場は、ベンダーや契約人数によって異なります。この記事では、クラウドPBXの利用にかかる費用の内訳や費用を少しでも抑える方法、おすすめのクラウドPBXサービスなどについて解説しています。クラウドPBXの導入を検討している方や電話に関する業務効率を高めたい方向けの記事となっているため、ぜひ参考にしてください。
クラウドPBXにかかる費用の内訳
ここでは、クラウドPBXの導入、運用にどのくらいの費用がかかるのか解説します。初期費用や月額料金、通話料、オプション料金など、さまざまな費用が発生するため、各項目で詳しく説明します。
クラウドPBXの初期費用
クラウドPBXの初期費用は、0円〜50,000円と幅があります。これは、ベンダーによって費用が異なるほか、導入する内線端末数などで違い生じるためです。それでも、従来のビジネスフォンの場合、導入だけで数十万円単位の費用がかかるケースもあったことを考えると、クラウドPBXの初期費用はかなり抑えられているといえるでしょう。 ただし、固定電話機が必要な場合は、別途新規で購入する必要があるため、費用が高くなる可能性があります。
クラウドPBXのランニングコスト
クラウドPBXは、サブスクリプションサービスであるため月額料金が発生します。料金は初期費用同様、ベンダーや契約する内線端末数によって大きく異なり、1内線端末数1,500円〜 が相場と考えてください。
なお、この月額料金には、保守管理費用やシステムのアップデート費用、トラブル対応などのサポート費用が込みとなっているケースが一般的です。検討段階で費用の内訳を確認しておくと、後になってから予想外の費用項目が発生するといった事態を回避できるため、よく確認しておきましょう。
クラウドPBXの通話料
通常の電話同様、クラウドPBXで通話をする場合も通話料が発生します。固定電話であれば、3分で8円前後、スマートフォンであれば1分で15円前後かかります。
クラウドPBXのオプション料金
通話機能だけでなく、録音機能や電話会議機能、音声自動応答システムなどの機能をオプションでつける場合、オプション料金も発生します。オプション料金はベンダーによって異なるほか、ある企業ではオプションとされている機能が、別の企業では基本機能となっているケースもあるでしょう。 オプション料金の相場は、1機能あたり月額2,000〜3,000円程度が相場となります。
クラウドPBXの費用を抑える方法
ここではクラウドPBXにかかる費用を抑えるポイントを紹介します。少しでも費用負担を抑えて導入したい、コストを重視している企業の担当者はぜひ参考にしてください。
必要な機能を明確にする
クラウドPBXは、オプション機能を追加できますが、オプションの数が多くなるとその分費用もかさんでしまうため、導入にあたっては事前に必要な機能を明確にしておきましょう。優れた機能でも、自社の業務での使用頻度が少ないとコストだけが無駄にかかってしまいます。業務内容を洗い出し、どの機能があると便利なのか、使用頻度が高そうなのかリストアップしておきましょう。
複数のサービスを比較する
クラウドPBXは、ベンダーによって導入費用や月額料金、オプション料金などが異なるため、導入に当たっては複数のサービスを比較し、安いものを選ぶことでコストを抑えられます。
検討時に、1社からしか見積もりをもらわないでいると、相場より高いのか安いのかがわかりません。そのため、複数のサービスから見積もりを取得し、比較することが大切です。また、見積もりを比較する際は、費用の内訳や項目が明確であるかどうかもチェックしておきましょう。例えば、月額料金が安く、魅力的に見える場合でも、必要な機能をオプションで追加しなければならず、結果的に費用負担が高くなる可能性もあります。
利用人数を把握する
クラウドPBXは、外線数、内線端末数などに応じて契約を結ぶため、利用人数・回線数を明確にしておくことで無駄な費用の発生を回避できます。正確な数を把握できておらず、念のため多めに契約しよう、と考えると費用負担が大きくなります。
主要クラウドPBXの料金比較
ここでは主なクラウドPBXの概要と料金を紹介します。それぞれ料金体系やサービスの概要が異なるため、費用面だけでなくどういったサービス、機能があるのかも確認し、自社にあったものを選ぶようにしましょう。
ここで取り上げるサービスの料金と概要は以下の通りです。
※2024年12月時点
※表示価格は全て税抜価格です。別途消費税がかかります。
MAHO-PBX NetDevancer Cloud
MAHO-PBX NetDevancer Cloudは、株式会社まほろば工房が提供するクラウドPBXです。PBX機能がすべて基本料金内で使えるため、高機能なPBXを低価格で利用することができます。さらに、顧客単位に仮想マシン/ネットワークを用意するため、他の環境からの影響を受けにくく、自社とクラウド環境間もVPNを利用することで安心に通信が可能です。
WEB画面から稼働状況の確認、全通話履歴参照や録音データの統括管理はもちろん、端末の増減、内線番号の振り替えも簡単に設定できます。 サポート体制も整備されており、初期設定サービスやおまかせサポートサービスなど、エンジニアによるサポートオプションも充実しているので、安定した運用が可能です。さらに、パソコンにダイヤラーソフトをインストールすることでパソコンからの発信制御ができるほか、共有・個人の電話帳をPBXで管理できるのでクリック1つで発信可能、電話に関する作業・業務を効率よく行えるようになるでしょう。
月額基本料金は20端末からの契約で1端末625円となっています。また、導入初期費用として、12,500円が、さらに出荷時設定サービスを利用する場合は25,000円がかかります。料金は必要台数などによって変わるため、詳しくは以下のページで計算して確認してください。
https://www.maho-pbx.jp/cloud/feecal/
クラコールPBX
クラコールPBXは、株式会社三通テレコムサービスが提供するクラウドPBXです。初期費用0円で導入できることから、初めてクラウドPBXを利用する企業にとって導入のハードルが低くなっています。
申し込みや利用人数の変更、着信スケジュールの設定などは、管理画面から簡単に設定できる点も嬉しいポイントです。スマートフォンに専用アプリをインストールすれば、03などの固定番号、0120などのフリーコールでの発着信も可能です。電話番号を変更することなくクラウドPBXの機能を使えるため、手間がかかりません。さらに、在宅勤務者への同時着信や内線転送などもできるため、テレワークを導入している企業にもぴったりです。
秒課金プランのように、利用状況に応じたプランを選択できるため、コストを抑えたい企業にとっても選択肢となります。
初期費用は先ほども説明した通り0円で、月額料金は1ユーザーあたり980円です。6ユーザー以降は無料となるため、月額料金は最大で4,900円となります。
クラウドPBX MOT/TEL
クラウドPBX MOT/TELは、株式会社バルテックが提供するクラウドPBXです。MOT/TELは、日本で開発されているサービスであり、15年以上の開発実績を持っています。使いやすさや通話の安定性、サポート体制などが評価されており、これまでの累計導入実績は、27,500社以上を誇ります。
MOT/TELの通話品質が安定している理由の1つが、東北、関東、東海、北陸、中国・四国、九州の各地にデータセンターを設置しているためです。電話だけでなく、インターネット回線やWi-Fiの工事などをまとめて依頼することもできるため、オフィス移転に伴うクラウドPBXの導入や新規開業を予定している企業にとっては便利だといえます。費用は、スタンダードプランの場合、月額料金が4,980円/20内線、初期費用が29,800円となっています。
GoodSeries
GoodSeriesは、株式会社グッドリレーションズが提供するクラウドPBXです。GoodSeriesは、クラウドPBXのパイオニアともいえるサービスであり、中小企業から上場企業まで幅広い企業、業界で導入されています。発着信拒否や2段階認証、発信番号・着信番号設定、通話保留転送、音声ガイダンス、自動音声応答、留守電通知、全通話録音など幅広い機能を搭載している点は特徴の1つです。
また、SlackやChatwork、salesforce、Microsoft Teamsなどの各種システムとの連携にも対応しているため、連携により業務効率を高めることもできるでしょう。契約期間の縛りや利用できる回線、アプリ、端末に制限がないため、どの企業にとっても導入しやすいサービスだといえます。
費用に関しては、GoodSeriesでは、個人事業主や小規模での利用を想定した「GoodLine SOHO」と法人の利用を想定した「GoodLine」がある点が特徴です。
GoodLine SOHOは、初期費用が20,000円、月額料金が30,000円です。また、GoodLineは、1つの内線あたりの初期費用が10,000円、月額料金が1,000円、さらに基本料金として毎月5,000円が発生します。初期費用に関しては上限が50,000円に設定されています。
BIZTEL
BIZTELは、株式会社リンクとブライシス株式会社の共同事業として運営しているクラウドPBXです。営業やサポートは、株式会社リンクが、開発やインフラの運用はブライシス株式会社が行っています。 BIZTELは、2006年にサービスを開始しており、クラウドPBXの中でも歴史が長い点が特徴です。独自開発・運用・構築によるサービスとなっており、ユーザーのニーズを反映させながら、進化してきました。これまでの導入実績は2,000社以上で、稼働席数は40,000席以上と実績は十分です。
また、中小企業から大企業まで、幅広い規模・業界に対応している点も特徴だといえるでしょう。サポート体制も24時間365日となっているため、初めてクラウドPBXを導入する企業でも安心です。
BIZTELは、11のプランが用意されており、初期費用50,000円~、月額料金21,000円~となっています。
クラウドPBXをおすすめする会社
ここでは、クラウドPBXはどういった会社に向いているサービスなのか解説します。クラウドPBX自体は便利なサービスですが、必ずしも全ての会社で必要なわけではありません。自社に導入するべきかどうか迷っている企業の担当者はぜひ参考にしてください。
電話にかかるコストを抑えたい会社
クラウドPBXは、スマートフォンを内線化でき、導入することで外線での通話を抑えられるため、電話にかかるコストを抑えたい企業におすすめです。例えば、外出中の営業担当者に社内から電話する場合、スマートフォンを内線化していない場合、営業担当者のスマートフォンに改めて電話をかける必要がありました。しかし、クラウドPBXでスマートフォンを内線化していれば、内線として電話をかけられるため、通話料金が抑えられます。
また、代表番号での発着信もできるため、社員個人のスマートフォンでも通話ができるようになります。そのため、社用スマホを別途用意しなくても、スマートフォンでの通話が簡単に行え、端末の導入コストも抑えられます。
テレワークを導入・推進したい会社
テレワークを導入している会社は、在宅勤務中の社員との電話のやりとりが多くなります。そのような時に、代表番号での発着信ができるクラウドPBXがあれば、自宅からでもオフィスにいる時と同じように顧客に電話をかけられます。また、クラウドPBXは通話の転送もできるため、オフィスにかかってきた顧客からの通話を、テレワーク中の社員のスマートフォンに転送し、そのまま通話することも可能です。オフィス同様の電話環境を整えることで、テレワークに取り組みやすくなるでしょう。
サーバーや自社サービスの保守・管理に取り組む会社
サーバーや自社サービスの保守・管理を行っている会社にとっても、クラウドPBXは役立ちます。なぜならクラウドPBXは、営業時間に関係なく稼働するためです。例えば営業時間外にサーバーにトラブルが発生し、クライアントから問い合わせの電話がオフィスにかかってきたとしても、社員のスマートフォンで受信でき、トラブル対応に遅れてしまうリスクを回避できます。トラブルへの即時対応の可否は、クライアントからの信頼にもつながる部分であるため、クラウドPBXの導入は保守・管理に取り組む企業にとって重要な役割を果たしてくれるでしょう。
まとめ
今回は、クラウドPBXの費用やおすすめのサービスなどについて解説しました。クラウドPBXの料金は、初期費用、月額料金、通話料、オプション料金などから構成されています。料金はベンダーや利用する人数によって異なりますが、初期費用は0円〜50,000円程度、月額料金は1,000円〜数万円程度が相場です。
少しでも費用を抑えるためには、利用人数や必要な機能を事前に明確にしておくことが大切です。また、複数のサービスから見積もりを取得し、比較することもポイントとなります。今回の内容を参考に、自社にあったサービスを導入してください。
まほろば工房では、次世代型IP-PBX「MAHO-PBX NetDevancer Cloud」を提供しています。クラウドPBX、オンプレミスPBXどちらもラインナップしています。PBX機能が全部使えて、オプション料金いらず、低コストで快適な電話環境を実現します。また、WEB管理画面から設定を簡単にできるため、忙しいビジネスパーソンにとっても使い勝手がいいでしょう。サポート・保守サポートも丁寧に行なっているため、初めてPBXを導入する企業でも安心できます。貴社にとって最適な電話システム構築の相談に乗ることができますので、お気軽にご連絡ください。